映画「インターステラー」を観てきた(ネタバレあり)
こんにちは! 源氏山楼のよいこです。
クリストファー・ノーラン監督の最新作「インターステラー」が話題のようです。
ハックルさんも高く評価していました。
岩崎夏海が映画「インターステラー」について語る【前編】※ネタバレ有 - YouTube
ということで、宮本ディレクター、仲山ディレクター、よいこも観に行ってきました。
技術面も内容も、すごく考えさせられることがたくさんありました!
我々も感想動画をアップしました。
映画「インターステラー」(Interstellar)を観た感想をお話しします(1/3)【ネタバレ有り】【クリストファー・ノーラン監督】 - YouTube
よいこ自身は映画を観るのが苦手で、観ても理解出来ないことが多いんです。
この映画も正直分からないところが結構あったし、3時間という長尺なんですが、それなのに最後まで全く飽きずに観ることができました。
それは強い「問いかけ」が発せられてるからなんです。
その問いに対していろいろ考えちゃう。
いろんな問いがあって、それについては感想動画の方で話しているんですが、
中でも私は「愛」とはなにか? ということについて一番考えました。
人類を救うために宇宙に行くっていうSFの話でもあるんですけど、同時に「愛」もテーマになっているんです。
動画では話しきれなかったことを書きます。
「愛」とはなにか? について考えた結果です。
映画の中で、主人公のマシュー・マコノヒーが愛の正体について「子孫の繁栄と、社会の安定をもたらすもの」って言うんです。
たしかにそうですよね。異性に対して愛情を抱くことによって子孫が生まれるし、他者への愛があるからこそ社会の中で助け合って生きていける。
それによって、人類という種が継続されていく。
したがって「愛」は、生物が目的としている種の保存を果たすために存在するもの。科学で説明することのできる、生物の機能のひとつということができます。
しかし、アン・ハサウェイがこう言ったのです。
「じゃあ、死んだ人への愛はどうなるの? 子孫の繁栄も社会の安定も生まないわ。」
たしかに! 死んだ人のことまだ好きっていうのはありえるけど、それだと彼女の言う通り、種の保存にはつながらないですよね。
種の保存目的以外にも、「愛」には何か意味があるの…?
一応映画の中では、「愛」には科学で説明できる領域を超えたパワーがあるということになってました。
最終的に父と娘の愛のパワーが、人類を救ったのです。
だけどその結論は重要じゃなくて、あくまでもこの映画のメインは「問い」なんです。
だから、ちょっと映画の中の結論とは違うんですけど、私は「愛」の正体について次のように考えました。
「死んだ人への愛」などの種の保存をもたらさない愛は、擬似的な感覚として生物学的に説明できるのではないでしょうか。
たとえば、
人が抱く感覚には、生存に有利な方へ導くという意味があります。
甘いものとか油っこいものを美味しいと感じてしまう人は多いはず。
それは、甘いものや油っこいものはカロリーが高いからですよね。
カロリー高いものを摂ってエネルギーを蓄えることで生き延びようという生存本能によって、それを美味しく感じる=欲するというわけです。
しかし現代の日本は、飽食の時代。逆にカロリー高いものばかり食べてたら病気になって、生存に不利になってしまいます。
この場合、最初は食べ物の少ない時代だからカロリー高いものを欲するのは理にかなってたけど、状況が変化しても、まだ以前の感覚が残っていて本来の目的との間にズレが生じています。
これは世代をまたいで起こっていることでもあるし、
戦中・戦後を経験した方は今でも食への思い入れが強かったりするから、個体の中でも起こることと言えます。
環境に対応して抱く感覚は、その発生理由を明確に意識するものではないから、このようにズレが生じることがあるんですね。
その上でアン・ハサウェイについていえば、恋人の性格、見た目、匂いなどの形質から、そのオスの遺伝子を自分の遺伝子と掛け合わせれば、生存に有利な子が生まれると本能的に判断したのでしょう。それが「愛」です。
しかしその恋人が亡くなって、子を残す可能性が無くなったとしても、環境の変化にみあった対応が起こらず、まだ以前の感覚が残っている。
だから、死んだ人に対しての愛は、科学を超越した現象ではなくて、生物のもつ恒常性がもたらした現象ではないでしょうか。
一見ロマンチックさに欠ける結論かもしれません。
でも「愛」が自然という大きなシステムの中の機能であり、自分がその一部として生きて行くというのも、それはそれでロマンチックだと思います。
でもこの私の答えに関しても、結論自体は重要じゃないんです!
こうやっていろいろ考えるのが楽しい。
是非とも「インターステラー」は、お友達や家族や恋人と一緒に観て、問いの答えを語り合ってみてください。